互いの信頼関係が生まれてくるのが、何よりもうれしいと話す。
使う農薬を減らすには、どうしたらいいのか。
生産者と消費者がそれぞれの立場を理解しながら対話する。
そんな中から、少しずつ解決策が見つかってくる。
O農協では2000年も、Wからの社員研修を受け入れる計画だ。
ハマチはマグロと同様、刺し身としては欠かせない人気食材の1つ。
Wのメニューでは「若獅(はまち)」と表記する。
一般の養殖ハマチとは訳が違うという自信からだ。
小ぶりの桶に、分厚く切られた生きのいい刺し身が、新鮮な褄を添えて上品に盛られている。
赤身、白身の部分とも色つや、光沢がいい。
身が締まり、しこしこした食感も何より違うのは、脂っこくなくさっぱりしていて、ハマチの刺し身によくある生臭さがまったく感じられない。
それもそのはず、一般の養殖物が脂肪分25.3%なのに、Wの「若獅」は15.3%。
旬の天然物(17.6%)より低い。
うまさの決め手となるたんぱく質は逆に、一般の養殖物より6%近くも多くて12%、天然物(12.4%)とほとんど変わらない。
東京の農水産物商社Tと九州・宮崎のTが独自のノウハウで育てた魚を、直接仕入れている。
宮崎県串間市.志布志湾の沖合3キロの外洋に設けられた広とした養殖生簀。
網の中に、青緑の魚影がまばらに映る。
この広さでは4000〜5000匹のハマチが飼育されるのが普通だが、ここでは2000〜2500匹の薄飼い。
ストレスを抑え伸び伸び健康に育てるためだ。
「台風時には8腕を超す大波が押し寄せる。
それだけ海水がきれいで、うねりにもまれた魚体は、天然魚のように引き締まる」と、Tの社長Kが説明する。
台風被害を避けるため、浮沈式の生簀を開発。
荒天時はまるごと脳も海中に沈める。
海の中は海流が速く、繊細なブリ類に最も必要とされる酸素が豊富に供給され、一石二鳥の効果を上げる。
ハマチに限らず一般の養殖では、解凍イワシをミンチ状にして与える生えさ飼育が主流。
外洋養殖でストレスのない「美人魚」が伸び伸び育つ生簀の両側に耐圧フロートを取り付け、ボタン1つでフロートの空気を調節、浮上させたり沈下させたりする。
一般の湾内養殖では、水深が深くて10両ほどだが、浮沈式生簀が設置されている場所の水深は、50〜60両もあって潮の流れが速い。
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